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伝兵衛
伝兵衛
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2008年02月08日

長所生かし天職を得る/井垣 康弘

君たちのために

2008年2月6日 産経新聞夕刊から抜粋

 前回、家裁が発見した情報を当事者に開示することの大切さ
を教えられたと書いた。

 野球一筋できた中学生がけがで挫折したため、勉強路線に切
り替えさせたが、全く頑張らない。親が尻をたたいたら非行グ
ループに逃げ、ひったくりに走ってしまった。

 たしかに、小学校低学年から授業に付いていけず、宿題にも
いい加減に対応していた。でもその分、寝ても覚めても野球に
打ち込んでいたし、気立てがよく友達と仲もよかった。

 捕まえて少年鑑別所で調べたら、この子はあまり知的能力に
恵まれていないことが分かった。
現時点における学力は、
 「九九も全部は言えず分かる漢字は自分の名前程度」だから、
少年院のような特別な環境のもとで毎日10時間も勉強させる
ならともかく、普通では中学3年生に追い付かせること
は不可能である。

 2度目となる身柄付審判で、裁判官である私の口から少年の
知能程度の説明を聞いた両親は顔色を変えた。
一方で少年本人は「やっと分かってもらえた」とにんまり。
天性の運動能力と高い所でも平気という利点を生かし、
 「ボクは日本一のトビになりたい」と志望を述べた。審判にお
呼びしていた保護司も「保護観察官から何も聞いていなかった
とはいえ、むちゃな取り祖みをしてしまった。この子のトビ職
の晴れ姿を見届けたい」と恥ずかしそうに語った。

 前任の裁判官も調査官も転出していたので、なぜ前回「肝心要」
(かんじんかなめ)の情報を少年の両親に伝え損なったのか
理由は分からなかった。鑑別所の意見が「初等少年院送致」、
調査官の意見が 「保護観察」で、問題が「少年院に送るか
どうか」だったので、保護観察にすれば、保護観察官のほうで
上手に説明してくれると何となく期待したのかも
しれない。    (弁護士)
  


Posted by 伝兵衛 at 16:57Comments(0)