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2012年04月24日

日本人の利他性と「無自覚の宗教性」~共感縁の誕生

日本人の利他性と「無自覚の宗教性」~共感縁の誕生
稲場圭信、大阪大学大学院准教授
中央公論 2012年5月号 p40~47.から:

(ブログ管理人の蛇足:ダルクは AA アルコール依存症者匿名会を
元にして日本に生まれた。AAは アメリカのキリスト教の信者さんから
生まれたと聞いている。それで ダルクの文書にも カタカナ語が多いし、
宗教の匂いのする文章も多い。以下は抜粋です。原文は 買って読ん
でください。学者も霞を食ってるのでないから 本を買ってもらわないと 
アカンのです)。

祈りは宗教の根源的要素であり、人々の幸せへの希求の表れでもある。
宗教は人をより利他的にすると言うことができるだろうか。イギリスの
社会学者D・ジェラルドは、教育、収入、年齢は利他主義と無相関で、
宗教的コミットメントのみが利他主義と正の相関を持つと、ヨーロッパ
価値観調査の結果を分析している。アメリカの社会学者R・ウスノーは、
利他的精神を陶冶する最適な環境は宗教的環境だと結論付けている。

日本ではどうだろうか。最新の研究では、以下のニ点の重要な知見が提示
されている(三谷はるよ「現代日本社会におけるボランタリズムの要因構造」
大阪大学大学院人間科学研究科、平成二十二年度修士論文)。
 ①「ボランティア活動をする層」は「ボランティア活動をしない層」に比べて、
信仰する宗教がある人の割合が有意に高く、また、多変量解析の結果
からも、信仰する宗教があることは有意にボランティア活動の参加頻度を
高める。
 ②個人の年齢や学歴、パーソナリティ要因などの影響を取り除いても、
「決まった日に寺社・教会へお参りに行く」ことが有意にボランティア・NPO
活動の参加を促進する、つまり正月・盆のお参りといった伝統的宗教
慣習を行っている人は(たとえ宗教組織に所属していなくても)、ボランティア・
NPO活動に参加しやすい。
 利他性は社会生活によって学ぶことができるという研究結果もあり、
その原動力として宗教の力は強い。しかしそのことは日本社会に
あまり知られていない。

被災地で宗教は その力を発揮した。
それらの動きについて、詳しくは以下を参照していただきたい。
・宗教者災害支援連絡会 http://www.indranet.jp/syuenren/
・宗教者災害救援ネットワーク http://www.facebook.com/FBNERJ
・宗教者災害救援マップ http://sites.google.com/site/fbnerjmap/
 
◎無自覚の宗教性と共感縁
 社会のさまざまな組織や集団にある「信頼」「規範」「人と人との互酬性」
を指して、ソーシャル・キャピタル(social capital社会関係資本)と言う。
ソーシャル・キャピタルがしっかりある社会では、人々の支え合いの行為が
活溌化し、さまざまな問題が解決しやすくなる。欧米では、ソーシャル・キ
ピタルとしての宗教に対する関心が高い。宗教集団は、もともとその内部
に信頼構造を備えていることから、それ自体が社会に貢献していると考えら
れるからだ。

「おかげ様」という表現などに表れる感謝の念などは、今なお、日本人の
多くに共有されていると考えられる。筆者は、このような「無自覚に漠然と
抱く自己を超えたものとのつながりの感覚と、先祖、神仏、
世間に対して持つおかげ様の念」を「無自覚の宗教性」と呼んでいる。
「無自覚の宗教性」は多くの日本人の中に存在する。そして、その
「無自覚の宗教性」は、他者を思いやる利他性を覚醒する契機を
豊かに含んでいる。
欧米型の新自由主義的ボランタリズムとは別の、「無自覚の宗教性」
によるボランタリズムが、日本に新たなつながりを作っていくかもしれない。

 宗教者の社会貢献活動においては、宗教が与える世界観と
信仰が精神的支えになっている。さらには、それらを共有する
宗教者同士のつながりも重要な精神的支えとなっている。
(いわゆる結束型のソーシャル・キャピタル)。
一方で、宗教団体の社会貢献活動や宗教者のボランティア活動が
社会的共感を呼んだ場合には、宗教を超えて世の中に利他的な
倫理観を伝えていく可能性もある(橋渡し型のソーシャル・キャピタル)。

◎稲場先生のブログは:
http://altruism.blog56.fc2.com/

★いなばけいしん 1969年生まれ。東京大学文学部卒業
、ロンドン大学キングスカレッジ大学院博士課程修了。博士(宗教社会学)。
「宗教者災害救援ネットワーク」および「宗教者災害救援マップ」発起人・
共同運営者。「宗教者災害支援連絡会」世話人。著書に『利他主義と宗教』など。
日本人の利他性と「無自覚の宗教性」~共感縁の誕生












Posted by 伝兵衛 at 19:01│Comments(2)
この記事へのコメント
私の論考を取り上げてくださり、ありがとうございます。

ポイントを簡潔にまとめて頂いたと思います。
ありががとうございました。

1点、修正願いです。私の名前ですが、「稲葉」ではなく、「稲場」です。

よろしくお願いいたします。
Posted by 稲場圭信 at 2012年04月27日 08:41
稲場先生、お名前を間違えて たいへん失礼いたしました。
御著作をかってに縮めて貼り付ける著作権法違反を
見逃してくださいまして 有難うございます。
薬物をしている当事者のことも、家族のこともカキコミ
できないので 他人様の書かれたのを貼り付けさせて
いただくことによって このブログは成り立っているようです。
Posted by 伝兵衛伝兵衛 at 2012年04月27日 12:34
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