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2007年10月23日

薬物と闘う (7)家族を支える

日本経済新聞 2007年10月22日夕刊

家族を支える
薬物と闘う (7)
依存症立ち直りのカギに

「薬物依存症は病気です。治らない病気です。でも普
通の社会生活を過ごすことも可能なのです。そのため
に家族の役割が大切」

 東京都の多摩総合精神保健福祉センター。週一回の
頻度で開かれる薬物やアルコール、ギャンブルなどの
依存症患者を抱える家族を対象とした教室。

 九月下旬の家族教室に出席したのは夫婦での参加も
含め15人。五十嵐雅美・相談員がホワイトボードを
前に話を始めた。薬物依存の息子がいる母親が質問す
る。「病気だから治すということから始めるだけでい
いのでしょうか。その前に自分の育て方に問題がなか
ったのか。そこを反省する必要はないのか、どうして
も考えてしまうのですが」

 「探せばそれぞれの理由や背景はあるでしょう。で
も、タマネギの皮をむくような原因探しに今、何か意
味があるでしょうか」と五十嵐さんはにこやかに返
す。「回復していない依存症者の頭の中は、何とかク
スリを手に入れたい。そのために家族を巻き込みたい
という考えだけでいっぱい。連鎖をいかに断ち切る
か。今は突き放すことが求められているんですよ」

 プログラムは2カ月7回の講座だが繰り返し参加で
きる。メンバーは互いに顔見知りとなり、経験を語り
合いながらがら依存症の息子や娘、夫らにどのように接し、
回復を支えていくのか、それぞれの道を探る。時に
気持ちが高ぶって眼に涙を浮かべる出席者もいる。

 薬物依存に関する相談は、実際に家族・本人が全
国の保健所、精神保健福祉センターを訪れる場合で年
間9千件に上る。心の健康相談に応じる地域の専門機
関であるセンターは、国の 薬物乱用防止戦略で家族支
援の中核に位置づけられる。

薬物依存者を身内に抱えた家族の肉体的、精神的負担
は大きいが、国立精神・ 神経センターの尾崎茂・薬
物依存研究部室長は「家族のためだけでなく、本人の
立ち直りのかぎを握るという観点からもサポートは必
要」と指摘する。問題となるのは英語の「可能にする」
という意味からイネイブル(enable)と呼ばれる行動で、
「薬物依存が必然的に巻き起こす借金トラブルなどを
家族が尻ぬぐいし、気づかぬうちに乱用を手助けする
こと」という。
家族支援にも専門的な知識や経験が求められる。

 嫁いだ娘が突然逮捕され途方に暮れたという夫婦。
育児仲間から覚えたことも含め、薬物使用に周囲は全
く気づかなかった。家族教室に必ず出席する夫婦は
「毎回いろいろなことに気づかされながら、娘の立ち
直りを見守っている」と話す。 
  


Posted by 伝兵衛 at 09:55Comments(0)