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伝兵衛
伝兵衛
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2007年10月11日

少年院退所の後。

産経新聞 2007年10月10日夕刊
井垣康弘 弁護士の連載 「君たちのために」 

”母の力が呼び寄せた縁”

ひったくりを30件も行ったため鑑別所に入れて、中等少年院
へ送致した16歳の高校中退生の話の続きである。
 少年が清書した「おわびの手紙」は、調査官と付添人弁護士
の助言も多少効いて、まずまずの出来栄えであった。お母さん
が、この手紙を持って被害者の方々の所を回ってくれることに
なった。
 書記官が、被害者30人の名前、被害の日時と場所、被害金
額(幸い、金銭だけを抜いたバッグは現場付近で発見され被害
者に返っていたので、弁償すべき金額は平均1万円にとどまっ
た)、被害者の携帯電話番号の一覧表を手渡した(住所は教え
ない)。
 お母さんは、被害者方に電話して予約をとり、大体1週間に
1件のペースで、約半年で全員にお目にかかることができた。
そして、その度に少年に手紙で詳しい内容の報告を書き送って
いた。
 後日、私が担当裁判官として少年院へ動向視察に行ったと
き、この手紙の束を見せてもらったが、圧巻だった。
 最後の30件目の被害者がたまたま建築関係の親方の奥さん
で、少年と同じ歳の男の子(高校生)がいて、親身になって、
2時間も話しこんでくれた。1人息子が突然 少年院に入れられ、
その後親が半年掛かりで 一軒ずつ謝りに回らねばならない
とは何とお気の毒なと一緒に泣いてくださった。
 そして最後に、少年の人生の目標が職人と知るや、「うちの親方
 (夫)に頼んであげる。若い子を育てる達人で、今、3年・5年
・7年・10年・15年の5人を雇っているが、皆親方が四苦八苦
しながら面倒を見て、技能も優秀で人柄も良い職人に育て
上げた。その結果うちのチームは業界で評判が高く、仕事の注
文が途切れない。親方の指導力も高いし、先輩の職人たちも
 (技能と収入の両面で)具体的な目標となるので、きっと成功
する。寮があって、地元と50キロは離れているから、不良仲間と
縁を切るのもたやすい」といってくださった。
 その後、親方から電話があり、「裁判官の指示があったと
はいえ、実際に30軒おわびに回るほどのパワーのあるお母さん
の息子さんに興味がわいた。家内と一緒に少年院を訪れて少年
と会ってみたい」とのこと。母親の意見として、親力の奥さん
はとても感じのよい人なので、面会にきてくださったらぜひ
 「よろしくお願いいたします」と頼むように、と書かれていた。
 私は少年に、「この話には乗ってごらんなさい。そして、お
世話になることに決まったら、いったん親元(地元)に帰ると
いうことではなく、少年院から真っすぐ勤め先の寮に入るよう
にしなさい。そして将来一人前の職人になり親方になったら、
今度は、親方という立場で少年院の子どもに面会に来てやって
ほしい」と励ました。
 そして、書記官から母親に電話してもらい、予約して親方夫
婦と一緒に少年院に面会に行くようにお勤めした。(弁護士)

  


Posted by 伝兵衛 at 13:58Comments(0)