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2007年11月08日

「少年裁判官ノオト」日本評論者。井垣康弘著

産経新聞 連載 君たちのために
2007年11月7日 夕刊

「少年裁判官ノオト」日本評論者。井垣康弘著

 先日、弁護士として少年の身柄事件を担当した。鑑別所での
初回面接の際、自己紹介代わりに自著『少年裁判官ノオト』
 (日本評論社)を差し入れた。

 すると、この少年は、1日掛りでこの本を何回も読み直した
結果、「少年司法というもの」が何となく分かったという。そ
して、自分は少年院送致になるかどうか微妙な位置におり、鑑
別所にいる3週間ほどの間に、自分自身をよく見つめて反省点
を発見し、その改善策まで説明できれば、家に帰れるというこ
とも分かった-という。

 初回面接のときは「打ちしおれていた」のに、2回目の面接
時には、「この本を読んだおかけで自分の立ち位置がよく分か
り、希望が芽生えた」とニコニコしていて、驚いた。

 そして、本人の提案で、それから毎日反省日記を私に送って
きた。審判直前の面接で、反省点を5つに絞らせて、それを約
10分間で話す練習をさせた。審判では、ハラハラしたが、なか
なか立派に話せた。毎日書いていた反省日記も調査官と裁判官
には読んでもらっていたので、少年は、裁判官から、「生まれ
て初めて自分や家族や社会のことを真剣に考え、日増しに反省
が深まり広がっていき、自分の言葉で表現できるまでになって
いる」と嘉めてもらい、本人の希望通りに、在宅処分(保護観察)
を勝ち取った(鑑別所の処遇意見は少年院送致相当であった)。

 『少年裁判官ノオト』は、この連載の2~3年分ほどの分量で
あるが、少年事件担当裁判官の立場から見える少年司法を、なる
べく分かりやすく具体的に書いている。非行少年自体は読者と
想定しておらず、新発見だったが、一番必要な人に役に立っ
てとてもうれしかった。

 少年司法は「闇の中の世界」であり、弁護士の役割も見えな
い。だから、少年司法は甘くて非行少年からなめられているの
ではないか、との疑念が国民一般に広がっている。私は、関係
者が説明責任を果たしておらず、怠慢だと思う。それで、裁
判官に分かるのは一部に過ぎないが、率先して「広報」を始め
たのがこの本の出版である。

 なかなか評判がよく、ある国会議員からは「『少年司法は本
当に機能しているのか』との後援会筋からの嫌味な質問にタジ
タジだったが、『この本を読みなさい』と渡すと『なるほど』
と分かってもらえるので、大いに助かっている」と「礼状」が
届いた。

 また、法科大学院の教授からは「何としても司法試験に受か
りたい」とのモチベーションを高めるのに、この本がとても役
に立っていると聞いた。確かに、夢がある仕事なので、学生
が勉強に励む支えになってくれることはうれしい。最近の学生
の社会性不足を嘆いておられる超一流国立大学の教授お二人か
らは「現代社会における『希望』の一つの確かな在りかを見
いだした」 「読んでいる問に3回泣いた」との言葉をいただ
いた。      (弁護士)



Posted by 伝兵衛 at 09:22│Comments(0)
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