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伝兵衛
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2012年01月12日

ライファーズ・償いと回復の道標10(その四、最終)

坂上 香(さかがみ かおり)津田塾大 准教授、映画監督。

月刊「みすず」2011年12月号 p.54~65から抜粋。本文は
買って読んでください。315円。今年この連載は本になると
思います。本が出たら買ってください

ギャビは地元の拘置所で毎週宗教講談を行っていた。そこで、
レイエスが自分の刑務所での体験を話してみたいと言った。
担当の看守はギャビを信頼して二つ返事で許可してくれた。
小さな部屋に集められた20名程の人々。彼らの大半が薬物事犯で
捕まっており、薬物やアルコール依存の問題を抱えている
らしかった。ただ、ティワナの矯正施設では依存症への対策が
全く行われておらず、レイエスのようなボランティアがくることも
ないという。突然与えられた場で、レイエスはイキイキと語り始めた。

国境を越えてすぐの米国の刑務所から、数日前に出てきた
ばかりであること。人を殺して無期刑を科されていたこと。多くの
ものを壊してきたこと。人も、場所も、関係も。手当たり次第壊す
ことによってプライドを得ていたこと。偽りのプライドに過ぎないが、
そうやって生き延びてきたこと。気がついたら誰もいなくなっていた。
家族にさえ、一時は見放されたこと。TCにつながって、ようやく
自分に向き合えたこと。性暴力の被害に気がついたこと。しかし
それには時間がかかり、心理的な抵抗が伴ったこと。しかし、
変容を遂げた「当事者」との出会いが、自分に希望を与えて
くれ、絶望から抜け出ることができたこと。

今は新しい夢を抱き、カサ・ヌエバ(新たな家)という名のTCで、
カウンセラーの一人として働いている。彼の夢とは、メキシコの
刑務所にTCプログラムを導入することだ。
◎新たな場
実は、レイエスが釈放される数ヶ月前に、十八年間続いて
きたドノバン刑務所のアミティが閉鎖されていた。カリフォルニア州は、
矯正予算の大規模な削減を連邦政府から要請されており、
そこで真っ先にカットされたのが、更生および教育プログラム
だったのだ。
 こういったプログラムの閉鎖や縮小は、アミティにとって初めての
ことではない。プログラムを去った人々も、そこで学んだことを、
それぞれの現場で生かしている。閉鎖されても、そこで得た何かは、
どこかで、違う形で継承されていく。そんなことを、信じてやって
いくしかないのだろう。
島根県旭町、島根あさひ社会復帰促進センターもそんな
新たな場の一つだ。ここは、日本で唯一アミティのプログラムを
取り入れている刑務所である。私は、2009年に初めて訪れて
以来、繰り返しこの地を訪れてきた。
2011年8月、ナヤとロッドが再び研修やワークショップで訪れ、
私も通訳として同行した。プログラムは日本人向けに、島根あさひ流に
アレンジされ、独白色を増していた。厳罰とは異なるTCの文化が
少しずつ、この刑務所にも根付き始めているのではないか。
そんなことを語り合った。(おしまい)
 


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Posted by 伝兵衛 at 18:00│Comments(0)薬物依存症
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