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2012年01月10日

ライファーズ(終身刑受刑者)償いと回復の道標10(その二)

坂上 香(さかがみ かおり)津田塾大 准教授、映画監督。
月刊「みすず」2011年11月号 p.18~32から抜粋。本文は
買って読んでください。315円。来年この連載は本になると
思います。本が出たら 買ってください。

 犯罪学者のルイス・ヤブロンスキーは、罪を犯して更生し、
社会に良い影響を与える当事者のことを「社会的ワクチン」と呼び、
反社会的で自己破壊的な価値観に「感染した」人々に対して
予防接種の役割を果たすことができると言う。アミティの創設者で
あるナヤ・アービターは、犯罪者が社会的ワクチンヘと成長する
ための過程を、「番号から名前への旅」と呼ぶ。

 「番号から名前への旅」のなかで大切な事の一つは、自分の
体験を名付けられるようになることです。もし、自分の体験を
名付けることができなければ、体験を体験として受け止めることが
できません。自分の体験を受け止められなければ、 それを
使うこともできません。
 たとえば自らが体験した近親姦、または不快だと感じたり 
強制されたりする性の経験、もしくは暴力といった自分の体験は、
時として私たちを凍りつかせます。体験を名付けるのは、同じ
ようなことが自分だけではなく、他の人にも起こっていると
いうことを知り、その体験のまっただ中を生き続けなくても
いいということを実感していくことなのです。

詩人のマヤ・アンジェロウも言っていますが、身もだえするような
心痛であっても、二度とそのように苦しみたくないと自らが決意し、
その原因となることに直面する勇気を持てれば、止めることが
できるのです。犯罪を繰り返したり、薬物を使い続けるのは、
自分の体験に直面することに対して恐怖を抱き、その恐怖心を
乗り越えられていないからなのです。
 多くの場合こういった体験は、性的な経験、もしくは暴力と
関係していますが、もし自らが、恐れに向き合えないような 
体験や、秘密事ばかりであれば、他者の体験も自動的に排除
してしまいます。自分の体験に目を伏せ、他者の体験と自分の
間に線引きをしてしまうからです。その結果、問題は隠され、
家族や、コミュニティは分断してしまい、さらに深刻な
社会状況を引き起こしていくでしょう。

 しかし、つまるところ、死刑囚は更生することを期待され
ていない。死刑はむしろ変容の可能性を断つ、といったほうが
わかりやすい。処刑されることが刑罰であるから、それ以外は
不必要と考えられる。面会の目的も「安否確認」で、それ以上で
あってはならないのだ。そうして、犯罪の原因が解明されないまま、
最も変容すべき人々(=死刑囚)に対して何もなされないまま、
殺して終わりにしてしまう。死刑がなくならない限り、A君には
問題に直面する機会は与えられず、私たちの社会も何も
学ばないままだ。(続く)


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Posted by 伝兵衛 at 06:32│Comments(0)薬物依存症
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