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2011年11月02日

ライファーズ(終身刑受刑者)償いと回復の道標8(その二)

LA-ワッツ

坂上 香、津田塾大 准教授、映画監督。

月刊「みすず」2011年10月号 p.38~49から抜粋。本文は 
買って読んでください。315円。1年ほど経ったら この連載は 
本になると思います。
(10月31日のカキコミの続き)
同時期、米国各地でも映画祭、刑務所、学会、大学等で上映が
行われていた。なかでも忘れられないのが、2006年の秋に
行われたカリフォルニア州立大学サクラメント校での上映と講演会
だった。犯罪学の授業に私自身ゲストとして呼ばれた.

ジミー・キーラーというアミティの刑務所プログラムのスタッフと
一緒にケルビンが講演会場に来た。キーラーは恐喝や暴行等の罪に
問われて十年近く刑務所に服役したことのある元受刑者でもあり、
映画の主人公の一人でもあった。
私の応援団としてアミティ代表が 二人を送りこんでくれたのだった。
ジミーは元白人優越主義者で、ケルビンは黒人系ギャンダのメンバー
だった。そんな二人がここにこうして一緒にいること自体が奇跡だ。
三人でトークをすることにした。

上映後、学生だちから質問が飛び交った。再犯率と刑務所内TCとの
関係や、カリフォルニア州の刑務所におけるTCの浸透や評価に
ついて等、いかにも犯罪学といった質問が多かったのだが、二人は
実に堂々と的確に答えた。
刑務官か警察官になりたいというラティーノ系の女性の学生が、
容疑者や受刑者にどう接すればいいかという質問をしたときの、
ケルビンの対応も忘れられない。ジッと彼女の目をみつめて、
ただ一言「一人の人間として、接して欲しい」。

★ケルビンのサンクチュアリ
 ケルピンは、五年程前にサンディエゴにあるドノバン刑務所から
出所してきていた。十七歳の時に強盗罪で逮捕され、十八歳で
「七年から無期刑」を科されて以降、釈放されるまでの十七年間、
刑務所にいた。釈放直後の様子については以前触れたが、実は
間もなくしてマーサという介護職の女性と知りあい、二人の間に
生まれた男の子と、彼女の連れ子二人との五人で、新しい家庭を
築いていた。
「あと1ヵ月で保護観察から解放されるんだ。それでやっと、本当の
自由の身になる」。子犬と戯れる子どもたちに目をやりながら、
ケルビンは嬉しそうに言った。ライファーズの釈放自体とても
稀なのだが、たとえ釈放されたとしても、彼らは長期間、保護観察下に
置かれる。定期面談のほか、毎日決まった時間に担当者に
連絡をいれたり、移動や行動において様々な制約が課される。
違反をすれば、再び刑務所に逆戻りということにもなりかねない。
実際、カリフォルニア州だけで、毎年七万人を超える保護観察
違反者が、再犯者として刑務所に戻ってくる。ライファーズや
性犯罪者に対しては、とりわけ厳しいとも聞く。

 ケルビンは社会で暮らしたほぼ同じ年月の十七年間を刑務所で
暮らしていた。その間も、そして出所してからも、ずっと管理され
、監視される対象だったわけだ。管理も監視もないという状態が、
感覚的にわからないのだと言った。

「ここが俺のホーム。・・・子どもの頃には存在しなかったもの。
ようやく手に入れた、サンクチュアリなんだ」。刑務所のなかで
彼の口から、何度も聞いたサンクチュアリという言葉が、今、
外の社会で実感を伴って発せられている。


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Posted by 伝兵衛 at 16:19│Comments(0)薬物依存症
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