2011年08月29日
ライファーズ償いと回復の道標6(その三)
LAサウス・セントラル
坂上 香(さかがみ かおり)津田塾大 准教授。
月刊「みすず」2011年8月号 p.54~65から抜粋。
◯バラの苗木
ゲットーで生まれ育ち、このサウス・セントラルのアミティで
働くチャールズ・ゴーシュンに会ったのは、2002年、ドキュメン
タリー映画「Lifersライファーズ 終身刑を超えて」のロケハン
段階だった。彼は、かつてLAで名を馳せたギャングのリーダーだった。
坂上 香(さかがみ かおり)津田塾大 准教授。
月刊「みすず」2011年8月号 p.54~65から抜粋。
◯バラの苗木
ゲットーで生まれ育ち、このサウス・セントラルのアミティで
働くチャールズ・ゴーシュンに会ったのは、2002年、ドキュメン
タリー映画「Lifersライファーズ 終身刑を超えて」のロケハン
段階だった。彼は、かつてLAで名を馳せたギャングのリーダーだった。
あらゆる悪事に手を染めたという。強盗や傷害致死罪等、数えきれ
ない罪状で、逮捕された回数は100回を超え、七つの刑務所に服役した。
チャールズには二人弟がいた。すぐ下の弟ダレルは敵対する
ギャングに銃で撃たれて死亡した。末っ子のケルビンは、サンディ
エゴのドノバソ刑務所に服役中だった。
兄のチャールズは数年前に釈放されたが、ケルビンは釈放の
メドが全く立っていないライファーズの一人だった。ケルピンも
ダレルも兄のチャールズに憧れて生きてきた。
その結末が死であり、無期刑だった。そのことにチャールズは、
責任を感じていた。
ケルビンもまた、アミティの他のライファーズと同様に、希望を
失い、再び希望を獲得し直していくプロセスをたどった一人である。
チャールズが先にアミティに参加し、何度も勧められたが、初めは
全く関心を抱かなかった。ただし、粗暴なチャールズが、アミティに
参加するようになってからは、争いを避ける言動を取るように
なったことが気になっていた。
チャールズの釈放が二週間後に迫ったとき、彼はケルビソに
ある約束をさせた。チャールズが、ケルビンの三人の子どもたちの
相談役として、父親代わりをする。ケルビンは子どもたちの親権を
すでに失ってしまっていたが、親権の回復に向けて手続き等の
協力もする。その代わりに、ケルピンはアミティに参加すること。
ケルピンは、渋々アミティに参加するようになった。ただ、そこでは
何もかもが未知の世界だった。例えば、恥に感じて秘密にしてきた
ようなことが、そこでは当たり前のように語られている。しかも、
それらの体験に伴う感情を、レジデントたちは自由に表現して
いる。自分にはとうてい無理だと思ったし、他人に語ることの
意味も最初は全くわからなかった。そんな彼の心を開いたのが、
花を育てるという課題だった。
ない罪状で、逮捕された回数は100回を超え、七つの刑務所に服役した。
チャールズには二人弟がいた。すぐ下の弟ダレルは敵対する
ギャングに銃で撃たれて死亡した。末っ子のケルビンは、サンディ
エゴのドノバソ刑務所に服役中だった。
兄のチャールズは数年前に釈放されたが、ケルビンは釈放の
メドが全く立っていないライファーズの一人だった。ケルピンも
ダレルも兄のチャールズに憧れて生きてきた。
その結末が死であり、無期刑だった。そのことにチャールズは、
責任を感じていた。
ケルビンもまた、アミティの他のライファーズと同様に、希望を
失い、再び希望を獲得し直していくプロセスをたどった一人である。
チャールズが先にアミティに参加し、何度も勧められたが、初めは
全く関心を抱かなかった。ただし、粗暴なチャールズが、アミティに
参加するようになってからは、争いを避ける言動を取るように
なったことが気になっていた。
チャールズの釈放が二週間後に迫ったとき、彼はケルビソに
ある約束をさせた。チャールズが、ケルビンの三人の子どもたちの
相談役として、父親代わりをする。ケルビンは子どもたちの親権を
すでに失ってしまっていたが、親権の回復に向けて手続き等の
協力もする。その代わりに、ケルピンはアミティに参加すること。
ケルピンは、渋々アミティに参加するようになった。ただ、そこでは
何もかもが未知の世界だった。例えば、恥に感じて秘密にしてきた
ようなことが、そこでは当たり前のように語られている。しかも、
それらの体験に伴う感情を、レジデントたちは自由に表現して
いる。自分にはとうてい無理だと思ったし、他人に語ることの
意味も最初は全くわからなかった。そんな彼の心を開いたのが、
花を育てるという課題だった。
Posted by 伝兵衛 at 12:46│Comments(0)
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