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2010年05月05日

薬物依存症からの回復と援助・三浦陽二(沖縄ダルク)

民間リハビリテーション施設での取り組み
--‐薬物依存症からの回復と援助
三浦陽二(沖縄ダルク)
(現代のエスプリ 2010年5月号 p.148~160から 抜粋。
本文は 買って読んでください。ネットで買えます)

◎回復とは

 薬物乱用が続くと薬物依存症となる。ダルクは当事者が
運営する薬物依存症からの回復施設である。

 薬物依存症からの回復を考えるうえで、まず考えなけれ
ばならないのは「回復とは何か?」という事である。
薬さえ使わなくて良いという事ならば、依存対象(行為、
関係、物質)の切り替えという事が解決策の一つとなる。

本人の改心と環境と薬物の身体依存の三つの問題を一遍に
解決しなければ意味をなさないように思われる。

「薬物依存症者は意志が弱く、意志を強く持てば解決できる」
という考え方がある。私もダルクに繋がるまではそのように思い、
意志を強くする方法を探していたが、滝に打たれる事ぐらい
しか思いつかず、滝に打たれる前からあきらめていた。しかし、
この考え方はダルク創設者、近藤恒夫の一言によって覆された。
近藤は私に「君は意志が強いね」と褒めるともなく言った。それ
までの私は親からも、学校の先生からも、警察官からも意志が弱い
と言われ続けていたので驚いてしまった。
続きがあった。「君は親が泣こうとも、周りから友人があきらめて
離れようとも、精神病院や刑務所に入ろうとも、薬をやめなかった。
並大抵の意志の強さではない。」
この場合、私にとって必要な事は、もともと強い意志をもっと
強くするのではなく、意志の方向を変える事なのだとこの時
気付かされた。

ダルクは薬をやめる、もしくはやめさせる施設だと思われて
いる方が多くいると思うが、少し違う。
ダルクでは「あなたの薬物の使用(依存症)経験を生かし、医師や
関係者には出来ない仲間の手助けをしなさい」と言っている。そして
この仲間の手助けは薬を使用しながらでは出来ないため、自然と
薬がとまるのである。
 これは薬物の使用を繰り返したり薬を売っていた時とは
生き方、価値観を変える行動であり、意志の方向を変える
行動である。そして刑務所や精神病院の出入りを繰り返し
自己評価が低下した薬物依存症者の自己評価を向上させる
行為である。そもそも薬物使用は少しずつ自殺しているよ
うなもので(本人は身体に悪いという事はよくわかってい
るのです)、自分が大切で自分の事が好きならば自殺はし
ないのである(例外はあるが)。

薬物使用を続けると失うものがたくさんある。金銭など
の物質的なものもあれば、信用などの社会的なものもあ
る。しかしそれにもまして厄介なものが複数ある。
まず「個人的な成長」である。薬物依存症者は他人が成 
長している時に薬物を乱用し、社会との関わりを自分から
放棄していたのだから、成長出来ていない部分が多い。薬
物依存症からの回復とはいうものの、薬を使い始めた中学
生くらいに戻ってしまったのでは困ってしまう。゛ 

次に「創造性」である。私などはよく覚せい剤使用時の
症状、常動行動で掃除を始めると止まらなくなり、テレビ
なども分解して掃除したりした。そして最後にはテレビを
壊してしまうのである。物質的なもの以外でも人間関係
などもよく壊した。 

その次に「人の善意を感じる能力」である。自己中心的
になっていくといった方がわかりやすいかもしれないが、
人が何かやってくれて当り前で、感謝など何事に関しても
出来なくなる。

そして最後に「自由」である。やめる自由が残されていなかった。
捕まってしまう事が怖くて出来なかった、おまわりさんに道を
聞く事が出来た。これも取り戻した自由なのかもしれない。

薬物依存症になると失うもの 四つ「個人的な成長」「創造性」
「人の善意を感じる能力」「自由」これらを取り戻す事も
回復なのではないかと思う。`

次に自分の行ってしまった事をそれで良かったと思える
ことも回復に必要である。刑務所に入った事や精神病院へ入った
事は、今は良かったと思えている。なぜなら その事が
なければ今こうやって原稿を書いている自分は存在しない
からである。このように過去は変えられないかもしれないが、
過去に起こしてしまった事を良かったと思う事は可能なのである。

ダルクのミーティング(グループセラピー)の後、皆で手を
つないで唱える小さな祈り(特定の宗教ではない)が ある。
「平安の祈り」と言われるこの祈りに出てくる「変えられない
ものを受け入れる落ち着き」とある変えられないものとは
過去と他人の事であり、「変えられるものは変えていく勇気を」
とある変えられるものとは自分と未来だと理解している。もっと
いうと、過去の結果としての今は変えられないが(とらえ方は
変えられるが)未来の原因としての今は、変える事が出来るのである。

日本で一番多い依存症は、ワーカホーリック(仕事依存症)
ではないかと思う。厄介なのは、このワーカホーリックと
いうのは日本の社会や世間一般では褒められたりしてしまう事
である.そして 機能不全を起こしてしまうのである。そして
この機能不全家族というのが、薬物依存症の大きな原因となる。


私達依存症者は自分達の息子や娘に世代間の連鎖をさせない
ように考える責任があり、この連鎖を断ち切る事を考えなけ
れば考えたらずの回復となってしまうのではないかと考えている。

◎ミーティング(グループセラピー)

めでたく?ダルクに繋がってから、毎日行うのは、NA
の12ステップを使ったミーティングである。基本的な
ミーティングは「言いっぱなしの聞きっぱなし」である。
このミーティングでは他人の話ではなく、かつての自分と
今の自分についてのみ話をする。「これからがんばってやめ
ます」のような先の話はあまり意味をなさないからである。
このミーティングで求められる事は「正直さ」と「気づき」
である。「この人はこの様にして乗り越えている」とか
「この人はこの様な失敗をしたから私はしないように
しよう」など、サジェッションをもらう事ではなく、ミー
ティングの中で話された仲間の経験を分かち合うのである。
 仲間との共通点が聞こえてくるまでに、三ヵ月から
六ヵ月を要する。

退寮する仲間にエールを込めてパイをぶつける。ダルクの
退寮は本人が出たいと思っている時は出さず、社会に出て
一人でやっていけるか不安になり残りたいと思った時に
追い出す
ダルクの良いところは、ダルクにいると一日一回は大笑い
出来るところだと強く思います。
           〔みうら・ようじ 沖縄ダルク〕




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Posted by 伝兵衛 at 15:55│Comments(0)薬物依存症
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