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伝兵衛
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2007年09月20日

少年院送致か短期の保護観察か。井垣康弘弁護士

中学2年の秋、突然非行を開始し、警察に 何度も捕まり、そ
の内容も どんどん悪化して、高校1年の 秋には中退
させられた 男子少年の 場合である。  

 その2年間、両親は わが子に 懸命に立ち 向かったが、
子どもからは「ウルセイ!」と ことごとく 拒否されていた。
そのストレスに 耐えかねての ことであろう。母親の 視力が
徐々に 衰えていき、ほとんど 見えなくなって しまった。
 
この段階で、信頼できる カウンセラーに 相談に行った。カウ
ンセラーの指示は、「お互いに 一つだけ約束して、1年間実践
してみよう」だった。

 息子は、「母の目が見えるように なるなら、母が作る 朝夕の
食事だけは 必ず父母と 一緒に 食べる」と言明した。両親は、
 「息子が その約束を 守ってくれる限り、息子の行動に ついて
一切 詮索しない」と 言い切った。

 母親は、最初のころは ほとんど 手探りで 朝夕の食事を作っ
た。そして、親子3人 一緒の食事 だけは 1日の例外も なく続い
た。あたりさわりの ない会話が 多かったが、意外に 心が落ち着
く時間だった と言う。一切 問いたださないので よくは 分からな
いが、息子の行動も 徐々に 落ち着いて いく様子であった。それ
に伴い、母親の視力は、毎月 確実に 回復していった。

  それから 約1年がたった。息子は、まだ 遊び 暮らしては
いるが、アルバイトで 自分の 小遣いだけは 稼いでいる。
来年の 春から 改めて高校へ 進学したいと 考えている。

 そのとき 家裁に 送られてきた のが、少年の 在宅の 覚醒剤
取締法違反事件(注射による自己使用)だった。少年が提出した
尿から覚醒剤が 検出された のであるが、少年は、
音楽パーティーの 場で 寝込んでいる聞に 誰かに勝手に
注射されて しまったと 弁解する。

 しかし、「寝ていた 少年を 揺り起こして、承知させて注射し
てやった」との 友達の 供述調書があり、少年の弁解は 客観的に
は うそ だという 判断になった。
処遇について、調査官の意見は 「少年院送致」だが、付添人
弁護士は、「短期の保護観察 (約半年)で十分」というもの
で、激しく 対立した。

 調査官は、「少年は うそを つくし、親は このような少年を 
孝行息子だと 褒める 大ばか者だ」と 強調する。

 付添人は、「注射を 承諾した点は、寝ぼけていて 覚えていな
いのだろう。ただし、少年の 交友関係は 改善させなければ 
ならない。親の 監護力であるが、朝夕の食事を 親と一緒に
するという ただ1つの 約束事だが 1年間完全に 実践させた。
それにより、心の深い部分で 互いの信頼感が 再生し 始めた。
息子の生活は 昔の むちゃくちゃな 時期と 比べると、
随分よくなっている。
自力でここまで頑張ってきた。
母親の目が ほとんど 普通に見える レベルにまで 回復したのが
何よりの 証拠である。孝行息子と 言って 何が おかしいか。
大ぱか者は 調査官の方である」と言った。
 私は、この付添人の 意見の方に 賛成であった。 (おしまい)

★以上 産経新聞2007年9月19日夕刊 
水曜日 連載「君たちのために」
 一つの約束。井垣康弘弁護士。



Posted by 伝兵衛 at 16:02│Comments(0)
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