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伝兵衛
伝兵衛
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2010年12月05日

児童虐待防止法10年、日経の記事から抜粋(続き)

2010年11月30日 (下)から抜粋:
見出し:死亡の6割、母 加害。
「理想の子育て」 重荷に。

厚生労働省の2008年度の児童虐待死亡事例
検証報告書によると、加害者の約6割が実の
母親(無理心中を除く)だ。
虐待の裾野は貧困層などだけでなく普通の家庭に
も広がっている。

虐待当事者の心のケアに取り祖む「くじら
ホスピタル」(東京・江東)の上村順子理事長は
「虐待をしてしまう親は、子供と親の適切な
距離の取り方を経験せずに大人になったのでは」
とみる、一方、「最初から完璧な母性を持った
母親はいない」と付け加える。

 挫折を経て、母性にたどりついた人もいる。
白井梓さん(仮名、29)は長男を、出産直後から
1歳までたたくなど虐待、夫が児童相談所に連絡、
1ヶ月一時保護してもらった。
子供は 一時保護されたことで 白井さんは変わった。
「10歳で母が亡くなり、自分か知らない理想の
母像を求められても無理だった」という。児童
相談所に一時保護してもらったことを経て、母親で
ある意味をようやく受け入れられたように
白井さんは感じている。  
  


Posted by 伝兵衛 at 11:48Comments(0)

2010年12月05日

少年非行への対策

青少年精神科医 Christian Bachmann は在来の対策
批判し、「スーパー乳母」が増えることを求める。

大事件を起こす非行少年は氷山の一角であり、社会的
言動についての障碍をもつ子どもや青年は ドイツに
70万~80万人いると見積もられている。これは 
未成年人口の約8%にあたる。
これらの非行少年は 親の言うことを聞かず、学校を
さぼり、殴り合いをして、万引きや薬物をする。
Bachmann先生は ロンドンにある 精神科研究所と
国立子育て研究所で 効果的な青少年支援プログラム
を研究した。

以下は 同先生へのインタビュー:
非行少年は 親を殴るので 親はどうしようもない。
しかし精神科は 非行少年にとって適切な場ではない。
非行少年は 他人の言うことを聞かないし、摂食障害が
あるわけでないし、薬は効かない。非行の振舞は 教育の
問題であり、精神科の問題ではない。
非行少年は しばしば精神科を受診し、それから少年施設
に行き、しばらくして逃げ出す。どこへ 行っても 
うまく いかない。
反社会的振舞は なかなか変わらない。効果的な対応を
受けなければ もっと悪くなる。
そのような少年が成人すると、多くは反社会的人格障害を
もつことになり、刑務所に入る人も少なくない。
今ドイツでは 少年施設やブートキャンプや「警官と
非行少年がサッカーをするプログラム」などに大金を
つぎ込んでいるが、これらは 効果があるかどうか 
専門的に検証されていない。

世界的に研究されているプログラムに、
Multisystemic Therapy(MST)があり、12~16歳の少年を
対象としている。MSTを支える考えは「養育することを
親に教える」というこをである。「スーパー乳母 
Super-Nannyの原則」と呼ばれる考えだ。
今までのドイツでの やり方は 非行少年を家庭から 
引き離し、施設やブートキャンプへ入れると言うものだ。
MSTでは 非行少年と親に 普通の環境の中で 親子の
必要とすることを教える。MST治療では 同時に 
4~5家族の面倒をみる。個々の少年に 多くの時間を
かけられる。解決法は まったく平凡なことであって、
親は 子どもが毎日、何をしているかを 繰り返し尋ねる
ことを 学習する。親子は 支援者・助言者に 24時間
アクセスできる。青少年局に問合せた場合は 何週間も
待たないといけないのとは 大変な違いである。

このプログラムは金がかかる。 一人の治療士には 
1年に最高、7万ユーロかかる。しかし 施設は1日
約200ユーロかかるので 年間7万ユーロの出費になる。
一方、治療士は 1年に少なくとも8家族の治療をする。
8家族のうち1人を施設に入らないで済むようにできれば 
治療士の年間給料が でる。(日本の児童養護施設でも 
子ども1人あたり このくらいの措置費が支払われている)
MSTのプログラムを受けた非行少年について調査した
ところ、プログラムの14年後に 平均2年を刑務所で過ごし
ていた。普通の心理療法をうけた対照群においては 
平均4年を 刑務所で過ごしていた。
ノルウエーでは MSTが全国的に実施されている。そこ
では プログラムの初めに 20%の非行少年が学校に
行っていて、終わりには80%が学校に行くようになって
いる。学校を卒業して人は 職に就く人が多く、社会的に
外れてしまう可能性が低くなる。
(つづく)
下記サイトから:
http://www.sueddeutsche.de/leben/diskussion-um-jugendgewalt-antisoziales-verhalten-waechst-sich-nicht-aus-1.1016321

アメリカで少年支援事業として人気のあったブート
キャンプは 高価であり、そのうえ反社会的振舞を
助長するということを アメリカの調査は示している。
ブートキャンプでは軍隊のように組織された環境で 
青少年は学習するが、出所した後は 何の効果も
残らない。そのうえキャンプ内で他の非行少年と
知り合い さらに非行をすることもある。

ドイツでも 本当に効果のある支援に税金を使う
ようにすべきだ。アメリカで 反社会的振舞をする
子どもや青年のためのプログラムが 役に立って
いるか どうかが 検証された。その結果、約800の
プログラムのうち 八つだけが役に立ったと科学的に
証明された。
英国、スカンジナビア、アメリカで うまくいって
いるプログラムが ドイツでも機能しないはずがない。
まず予備調査が必要だ。

ドイツの青少年支援プログラムは 中央で組織されて
いるのでなく、各市が完全に独立して行っている。
そのうえ、青少年支援の予算を節約し、同時に 
より良い支援を提供できるという意識を 関係者は
持っていない。予備調査をすることさえ 難しい。

非行は社会的費用を増やす。酔っ払ったり 暴力行為
をして 救急外来に来るし、酔っ払い用の緊急受付の
世話になる。精神科に来る非行少年もいるし、麻薬
からの回復支援リハビリを受けなければならない
人もいる。これらには 健保から多額の金が 
でている。

アメリカで 効率的な青少年プログラムを実施した
ところ、施設での養育費と精神科の入院費を 半減できた。
青少年が裁判所の世話にならないように すれば 
司法の費用も減らせる。1日に1人を拘留すると 
約100ユーロかかる。
教育困難な生徒のための支援学校へ送り込む生徒が
減って、普通校に行く生徒が増えれば、教育費用も
節約できる。
学校を中退しないで 卒業する生徒が増えれば 
就職率もよくなり 社会全体にとって 経費の節約になる。
そして 社会は非行少年を見放していないという
ことを示すことにもなる。

イギリスでは 保健省と 子ども・学校・家庭省が 
共同で MSTの調査のために 数百万ユーロを用意
している。ドイツでも それは可能だろう。

大半の親は 子どもをうまく教育したいと 思っている
が、どうしていいか 習っていない親もいる。
こどもを教育することを人は学習できる。一方、薬物の
濫用、職業教育の市場、労働市場をコントロールする
ことは 難しい。
親は 子どもが非行したことに ついて 罪はない
けれども、親は諸問題を除去する際に つねに
中心的な役割を果たす。
(おしまい)
下記サイトから:
http://www.sueddeutsche.de/leben/diskussion-um-jugendgewalt-antisoziales-verhalten-waechst-sich-nicht-aus-1.1016321-2

★別のブログのカキコミを貼りつけました。
管理人が同じなので パクリでないです。  


Posted by 伝兵衛 at 08:54Comments(0)中欧事情