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伝兵衛
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2007年12月13日

父との関係改善で更生/井垣 康弘 

君たちのために
2007年12月12日 産経新聞 夕刊

私立高1年の男子生徒がバイクを運転していた男性を集団で
襲い、3週間のケガを負わせてバイクを奪ったオヤジ狩り事
件。少年は中学生のころから万引などを重ね、保護観察になっ
て保護司の指導を受け始めて、まだ1ヵ月しかたたない。

 今回、少年鑑別所の意見は「少年院送致」。理由は「著し
い資質上の偏りがなく、就学意志が強いなど健全な構えはある
が、これまでのすべての非行が、父親に対する不満・不快感
を発散させる目的で行われてきている。その分、自分自身が
抱える問題に対する反省の意識が乏しい。この際、少年院で
矯正教育を受けさせないと」とのこと。

 一方、学校の男性担任教師は「この子はまだ退学させるのは
惜しい」との意向で、鑑別所に面会に通ってくれている。さら
に保護観察所は「保護司との関係が良さそうで、引き続き面倒
を見たい」と意見が分かれた。

 建築関係の自営業を営む父親は、少年が小学校4年生のこ
ろ、突然女性(現在の妻)のもとへ走った。別居状態だが、
少年や大学生の兄、無職の母の生活費は届け、交流もある。
しかし少年に言わせれば、「自分勝手なことをしたくせに
口うるさく、父親面して一人前に説教だけはする」と
不満たらたらである。

 神戸家裁は、そのころ恒例の「父子キャンプ」を企画
していた。・男性の調査官は、もし父親が都合を付けるな
ら、それに参加させる試験観察を行いたいとの意見。
私は審判に来ていた父親に、「千載 一遇のチャンスです。
万難を排して、親子キャンプに参加してください」と促した。
父親は「分かりました。仕事の調整はします」と言い切
り、少年と父親のキャンプ参加が実現した。

 他の何組かの父子も一緒で、調査官や学生ボランティアも加
わる2泊3日の高原キャンプが行われた(私は毎年このキャン
プに、掃除担当か何かの肩書で参加させてほしいと頼むが、裁
判官とバレたらキャンプが台無しになると調査官が強硬に反対
し、実現しなかった。調査官の 「専門ばか」であろう)。

 少年にキャンプの感想を聞くと「3日間、他の子や父親と一
緒に遊んでいる間に、うちのお父さんとも仲良くなりました。
うれしかったです」とのこと。
目付き顔付きがまろやかになっていて、私もしんみりした。

 保護観察のことを聞くと「土曜日の午前11時に保護司宅へ行
く。60歳過ぎの人だが、最近ハーモニカの練習を始めて、合唱
団にも行くらしい。奥さんが手作りの食べ物を出してくれ、一
緒に3人で1時間半くらいおしゃべりする。楽しい」とのこ
と。母親の話では「保護司と会ってきた日は、夜寝るまでホン
ワカとした平和な風情でいる。最近大人の男性に向けるまなざ
しが優しくなってきているように思う」とのこと。再度の保護
観察決定で審判を終了させた。
          (弁護士)
  


Posted by 伝兵衛 at 14:09Comments(0)