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伝兵衛
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2007年12月01日

児童養護施設の近くにある小中学校/ルポ虐待・教師たち

朝日新聞 2007年11月30日 夕刊

かばった生徒 殴りかかってきた 

雑木林の残る丘陵地に、小さな学校がある。
 一つの校舎を小学校と中学校が一緒に使っている。全学年1クラ
ス。近くの児童養護施設の子どもたちが通っている。
 音楽を敦える典子先生(59)がこの中学校に来だのは10年前。
小さな体育館で新任のあいさつをしたとき、「山の分校みたい
だな」と思った。生徒たちはみな、素朴でおとなしそうに見えた。

 見立ては翌日に覆された。
 最初の授業は1年生。簡単な自己紹介の後、校歌をピアノで伴奏
しながら「さあ、歌うよ」と誘った。だが、だれも歌わない。顔を
机に突っ伏したままの子、ペンで机に穴を開け続ける子。ピアノの
音だけが音楽室に響いた。

 男子生徒が唐突に声をあげた。
 「○○君、授業中なのに落書きしてええんかな」
 「おまえ、なんで先生に言うんじゃ」。名指しされた生徒が机を
けって立ち上がり、おびえる級友の胸ぐらをつかんだ。「なんでそ
んなに怖がるんや。なんもしてへんやんけ」。さらに襟元を絞めあ
げている。
  「やめなさい」と典子先生が割って入った。その日は授業になら
なかった。

 中2も中3も状況は同じだった。並べたいすの上に寝っ転がる
女子、教室をうろつく男子。席の離れた女子同士が大声で会話を交
わしていた。「先生がかわいそうやし、だれか歌ってやりーや」
「だーって、授業おもろないもん」
 30年近い教師経験が通用しない。典子先生は戸感った。

 その年の6月。昼休みに、中3の男子が同級生をほうきで殴りつ
けているのをみつけた。やられているのは、おとなしい海君だ。
 「なにしてるの」。典子先生が2人を引き離すと、ほうきを持った
生徒はふてくされて向こうへ行った。「もう大丈夫やで」。声をかけ
かばった生徒殴りかかってきたた途端、海君は「わよと叫びなが
ら典子先生に向かってきた。「やめろ」と別の男子が走って止めに
入るまで海君は拳を振り回し、典子先生の頭や腕をたたき続けた。

  「なんで私が殴られなくちゃいけないの」。自分を慕ってくれて
いると思っていた海君に暴力をふるわれたことが、典子先生にはシ
ョックだった。

 海君は小学生のころ、母親から虐待を受けて児童養護施設に来
た。それまでにもパニックを起こすと急に暴力的になることがあっ
た。だがプライバシーヘの配慮から、現場の教師には当時、生徒ら
の生い立ちは知らされていなかった。 
 「責任を持って子どもたちと向き合いたい。個々の生徒の事情を
教えてください」
 この学校での勤務が長い同僚をつかまえては、生徒が抱える問題
を尋ねて回った。聞き取った内容は1人ずつ分けてノートに書き留
めた。
 施設から通う生徒の多くが、虐待の被害者だった。(文中仮名)
      ◇
 心に傷を負った子どもが学校で様々な問題を起こすこともある。
きょうからは、児童養護施設の近くにある小、中学校を取り上げ
る。(文・西見誠一、写真・川村直子が担当します)       ・
 
★朝日新聞 ルポ虐待の連載のうち
「児童相談所」と「児童養護施設」は asahi.com関西のページに
あります。
上記の記事は このblogの管理人がテキスト化しました。
  


Posted by 伝兵衛 at 19:11Comments(0)